サヤ取りとは?
2つの別々の銘柄をペアにして、一方を売りポジション、もう一方を買いポジションとして、価格差の変動を利用して利益をあげる手法です。市場全体の乱高下の影響をうけにくいのも特徴です。普通の売り買いと違ってツールも少ないので、Accessを使って自作するのも楽しいかと思います。
サヤ場帳を作成する
サヤ取りの基本となる場帳を作成します。
全体のイメージ
ちょっとわかりにくですが、株価テーブルから、3つのクエリに分けてほしい情報を抽出します。
- クエリ1…日付のみ
- クエリ2…軸となる銘柄情報
- クエリ3…脇(比較対象)となる銘柄情報
各クエリを、日付フィールドで関連付けて、情報をクエリ4で集約します
クエリ1 日付の抽出
- 全株価データのテーブルを指定します。
- ①のテーブルから「現在日付」のフィールドを指定します。
- そのままですと、重複する日付が多々あるので、リボンの「クエリデザイン」→「集計」をくりっくします。
- 集計の行が「グループ化」※1になっていればOK
※1 重複する同じ値をまとめて表示します。
名前をつけて保存します。
軸銘柄の抽出
後々のことを考えて、まずはフォームを作ります。テキストボックスを2個配置して、それぞれ「meigara1」「meigara2」としておきます。
軸銘柄を抽出するクエリを作成します。[銘柄コード]の抽出条件にさきほどのフォームに配置したテキストボックスのうち[meigara1]を指定します。保存して閉じます。
脇銘柄の抽出
「軸銘柄の抽出」で作成したクエリをコピーします。
任意の名前を付けて保存します
[銘柄コード]の抽出条件だけを変更します。[meigara1]→[meigara2]
保存して閉じます。
データを集約
クエリの新規作成画面を開いて、「日付クエリ」「軸銘柄クエリ」「脇銘柄クエリ」を表示させます。
[現在日付]フィールドで各クエリを結合します。
- 「日付クエリ」から「軸銘柄クエリ」に[現在日付]フィールドをドラッグします。
- リレーションシップの線の上で[右クリック]します。
- [結合プロパティ]をクリックします。
左下の2のオプションボタンを選択します
脇銘柄も同様に結合します
- 「日付クエリ」から現在日付を選択します。ついでに日付型に変換しています。
- 「軸銘柄クエリ」から、[銘柄コード][名称][終値]を選択します。ついでにわかりやすいよう、「:」で区切ってフィールド名を変更しています。
- 軸銘柄と同様に、脇銘柄もおなじようにします。
- 空の行が抽出されないように、軸コードと脇コードに「like “*”」と追記しました。
サヤ場帳を表示する
準備が整ったので、実行してみます。
今回が同業種の小田急と京成で実行してみます。フォームの各テキストボックスにコードを入れて…。
日付を共通のキーとして、2つの銘柄データが抽出できました!フォームのコマンドボタンからクエリを実行したり、サブフォームとして表示する方法は別記事で解説していますので参考にしてください。
ペア情報を保存する
ウォッチリストの作成記事を参考に、ペア情報をテーブルに保存しておけばいつでも呼び出すことができます。↓の記事を応用することで作成できるので参考にしてください。