ROIC(ロイック)とは?理解と活用方法

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ROICとは

ROIC(Return On Invested Capital)「ロイック」は、投下資本利益率を示す財務指標です。企業が投下した資金からどれだけ利益を生み出しているかを示すもので、その計算方法は税引後営業利益を投下資本で割ったものです。

ROIC(Return On Invested Capital)は、企業の資本効率を示す重要な指標ですが、他の財務指標と比較することで、より広範な企業評価を行うことができます。

■ROICとROEの違いと意義

  • ROE(Return On Equity)は株主資本利益率を表し、株主が拠出した資本に対する利益率を示します。一方で、ROICは全体の投下資本に対する利益率を示すため、会社全体の資本利益率を測る点で異なります。ROEは株主目線の指標であり、財務工学の手法によって操作される可能性があるため、企業全体の特性を反映するのに限界があります。

■ROICとROAの比較と問題点の検討

  • ROA(Return On Assets)は総資産利益率を示し、企業が総資産を活用して生み出した利益率を計測します。しかし、ROAは無利子の負債である買掛金の多寡によって資産額が変動する効果を考慮していないため、企業の実際の収益力を適切に示すことができないという問題があります。一方で、ROICは投下資本によって得られた利益を考慮するため、資本コスト以上の価値を生み出すかどうかをより正確に評価できます。

ROICは他の指標と組み合わせることで、企業の資本効率や収益性をより詳細に理解し、投資判断や企業評価に役立てることができます。しかし、単独の指標ではなく、他の財務指標との比較や総合的な分析が重要です。

まとめ

ROICは企業の投下した資金から生み出された利益を示す重要な指標です。他の指標と比較して、企業の特性や投資家への影響をより正確に示す点があります。投資戦略や企業評価において、ROICを理解し活用することは重要ですが、その際には注意点や課題も考慮する必要があります。

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