株価チャートパターン解説シリーズ③

チャート分析は、過去の価格変動や取引量などの動向から、株価の将来の動きを予測する手法であり、テクニカル分析としても知られています。
価格や需要と供給の変動を時間経過とともにグラフに表したものをチャートと呼びます。このチャートの形やパターンなどを分析し、将来の動向を予測することが行われます。

目次

エリオット波動

エリオットの波動理論は、株価の値動きの分析に広く利用されています。

大勢的な上昇相場は5つの波動で構成され(方向波動3つと訂正波動2つ)、下降相場は3つの波動で構成されます(方向波動2つと訂正波動1つ)。

さらに、これらを細かいレベルで見ると、方向波動や訂正波動がさらに小さな波動に分解され、価格の周期性が相互に作用することが理論の基本です。

グランビルの法則

ジョゼフ・E・グランビル氏による投資理論は、移動平均線と株価の乖離を考慮し、株価の先行きを判断する方法です。

移動平均線が長期間下落または横ばいの後に上昇に転じ、株価が移動平均線を上抜けする場合は買いのシグナルとされ、8つの法則(4つの買いシグナルと4つの売りシグナル)から成り立っています。

MAC-D

MAC-D(移動平均収束拡散指標)による売買サインの一つは、ゴールデンクロス(GC)とデッドクロス(DC)です。

ゴールデンクロスはMAC-Dがシグナルを上抜けする時であり、これは買いのサインとされます。一方、デッドクロスはMAC-Dがシグナルを下抜ける時であり、売りのサインと見なされます。

ソーサー・ボトム/トップ


ソーサートップ&ソーサーボトム、またはソーサーフォーメーションは円形転換とも呼ばれ、安値圏や高値圏におけるトレンド転換を意味します。これは「お皿」のような形を示すチャートパターンで、特にソーサーボトムは安値圏での形成が特徴的です。価格は緩やかな下落の後、横ばいの動きを示し、次第に上昇に転じます。この上昇がプラットフォームを形成し、出来高の増加とともに高値を上回ると、上昇局面が始まるとされます。

活用法としては、下降トレンド後に底値が形成され、出来高が増加しプラットフォームが形成されるのを待ち、その後、ネックラインを超えたタイミングで買いの判断を行う方法が挙げられます。

ソーサートップは、高値圏で発生し、お皿状の横ばいトレンドを示します。価格は緩やかな上昇を経て横ばいに移行し、その後上昇トレンドが転じることがあります。しかし、この上昇が一時的なものであり、次第に下落トレンドへ移行します。その後、出来高の増加を伴いながら明確な下落を示し、下落が一旦収束するとプラットフォームが形成されます。ソーサートップの特徴は、このプラットフォームの安値(ネックライン)を下回った段階で完成し、本格的な下落局面へと進むことです。また、ソーサートップは出現頻度が比較的少ないパターンです。

ラインボトム/トップ

ライントップとラインボトムは、線状の天井や底を形成するパターンであり、株価の動向を示します。ライントップは株価が天井を形成し、何度も上昇を試みますが、抜け出せずにやがて下落に転じます。一方、ラインボトムは大底を形成し、何度も底割れしそうになりますが、底値ラインを割り込まずにやがて上昇に転じます。これにより、水平な抵抗ラインやサポートラインが形成されます。

ラインボトムは、ソーサーボトムに似たチャートパターンを持ち、主力銘柄でよく見られます。一方で、ライントップは発生頻度が非常に少なく、相場のエネルギーが出尽くした銘柄や人為的な買い支えが破たんした場合に見られることがあります。それぞれのパターンは株価の天井や底を表し、株式市場における価格動向を示す重要な形態です。

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